アコルト
●キーワード
1. オーガニック100%のみを使用し、徹底的に安全を追及
2. 自然酵母サワー種を使用した酵母へのこだわり
3. 人類が一番最初に食べたパンのスタイルで
 
 東京・表参道駅より徒歩5分。スタイリッシュなレストランやショップが並ぶ通りの一角に「オーガニックベーカリー&デリ Der Akkord(アコルト)」がオープンしたのは、2002年2月。「近くに大きい自然食品店が2店あることもあって、このあたりの地域が自然食品の発信基地だと思った。外国人も多いし、ここを拠点にしたい」(オーナーシェフ・松尾雅彦さん)       
 そんな松尾シェフのこだわりは、「安全、かつ美味しく美しい」商品を提供すること。パンの原材料はもとより、サンドウィッチや惣菜、スープにいたるまで、100%オーガニック(無農薬有機栽培)に厳選し、すべての商品がマクロビオティックの考え方に基づいている。
 あらゆる食べ物が手に入る豊かな時代、人々が“食”を選択する際に求める条件は、単に「美味しいもの」から、「安全、かつ健康で美味しいもの」へと変化しつつある。
 安全と美味しさに徹底的にこだわった松尾シェフの作るパンとは?その秘密に迫る。

【 松尾 雅彦(まつお まさひこ)】

1964年9月生まれ。神奈川県出身。アマチュアロックバンド、サラリーマンなどを経て、食の道に入る。2軒のベーカリーで5年間修行。そのときマクロビオティックに出会い、食の脅威を実感、一緒の仕事とすることを決意。現在アコルト代表。



「der Akkord」の由来=和音
 昔から物づくりに興味があったという松尾シェフは、20代後半のサラリーマン時代に、自然酵母サワー種のパンに出会う。かたくて酸っぱくて奥深いそのパンの味に感銘を受け、パン職人の道に入ることを決意。
 「der Akkord(アコルト)」とは、ドイツ語で和音という意味。音楽が好きだったシェフの、“美味しいものは組み合わさってもっと美味しくなる”という意味が込められている。
 若者のトレンド発信基地、表参道駅から徒歩5分。お店に続く小道をまがると、まず一番に見えてくるのは、階段に飾られた色とりどりのかわいらしい花たち。それとともにパンの香ばしい香りが風に運ばれて届いてくる。そんな匂いに誘われて、一歩ずつ階段をのぼると、シンプルで温かい店内がみえる。
 店内は、こだわって作られたというだけあって、とても清潔。内装材(床材、壁材、天井材、接着剤、塗料)は出来る限り環境ホルモンを出さないもの、処分する際にも土に還る素材を選び、また木材の部分は、外部では薬剤を必要としない天然の耐久性を兼ね備え、乱伐される心配のない樹種を使用している。そんな優しい雰囲気に囲まれた店内からは、パンを製造する厨房まで見渡すことが出来る開放的な空間につながる。
 

自然酵母サワー種へのこだわり

 酵母は、自然酵母サワー種を使用。石臼挽き自家製粉全粒粉と天然水と完全天日海塩だけで何年も培養し、継ぎ続けたもの。酵母を起こす最初の段階より原材料をオーガニックに限定している。オーガニックで苦労する点は、大きく2つあるという。
  第一にオーガニック全粒粉の確保。
 オーガニック素材の全粒粉は、既存のもので酸化していないものはないと言われる程、酸化しやすい。酸化した全粒粉を使用したパンは、過度の酸味が立ち、酸っぱくて臭い。アコルトでは、最高の素材を最高の状態で確保するため、専用のルートを作り、粒のまま航空便で輸入している。業者にも冷蔵庫で保存するように依頼したりと、最高の状態が維持できるよう細心の注意を払う。ここまで徹底した仕入れを行うには、コストがかかる。最高の状態で仕入れを行うことへの配慮、また高価なコストに、松尾シェフは頭を悩ませる。
 粒のまま仕入れた全粒粉は、お店の中で石臼を使って、粉にする。これも素材を最高の状態で使用する方法の一つだという。このように挽かれた粉は、冷蔵庫に保管され、その都度取り出され、使用される。
 第二は、石臼を使って挽いた粉を使用する際に、ふすまと小麦粉の割合が均等にならないこと。ふすまは小麦粉に比べて水分を多く吸収するため、同量の水分量だと、ふすまが多い日は、生地の固さが固くなる。ふすまと小麦粉の割合が毎日違うということは、決まった分量の水や塩を加えるわけにはいかないため、知識と経験に基づいた勘を頼りに、水を足したり、粉を足したりと、その日その日の生地の状態を見ながら、調整する。そうしたかかりっきりの作業が面白くもあり、手間がかかるとシェフは言う。
 アコルトは、このように原材料にこだわるだけでなく、一つ一つの材料への気配りを徹底し、最高の素材を常に最高の状態で使用している。

人類が一番最初に食べたパンのスタイルで
 アコルトのパンの製法は、いたってシンプル。小麦だけで培養した酵母を使用し、小麦と水と塩を基本材料として、一つ一つ丹念に長い発酵時間を経て作られる。それだけに非常に大変だとシェフは言う。 「変なものをいれてごまかしたりしないので、ものすごく気を使う。サワー種は、そもそもヨーロッパスタイル。、自然の力だけで発酵させる手法は、ヨーロッパに伝わる最も伝統的なスタイルで、人類が一番最初に食べたパンのスタイルと同じ。それだけに本物の味だし、ものすごく美味しいんです。

自然のつまったアコルトのパン

「自然本来が一番美味しい」を追及したアコルトのパンは、どっしりと、もっちりと、しっとりとしていて、とても味わい深い。また砂糖、はちみつ、メイプロシロップを一切使用していないので、、オーガニック素材が個々に持っている天然の上品な甘みが、かめばかむほど口の中でふわっと広がる。
 “美味しいパンの食べ方”として提案しているのが、ゴマペーストやオリーブオイルを塗り、軽く塩をかける食べ方。塩のほどよい辛さが、パンの甘みをさらに引き立て、違った角度から素材がもつ豊かな旨さを感じられる。
 自然本来の旨味が凝縮されシンプルなその味に、自然が与えてくれた恵みへの感謝の気持ちが生まれてくる。
 アコルトのパンは、マクロビオティックを実践者ばかりではない。美味しいパンという噂を聞きつけて、全国各地から本を片手に尋ねてくる来店者が、あとをたたない。宅配サービスも行っているため、お得意様は北海道から沖縄まで全国にわたるという。
 人々の食材に関する不信感が強まってきている今日、「100%安心できるパン」への需要は、どんどん高まっていくだろう。そんな時代背景の中で、安心だけでなく、美味しさと美しさにこだわったアコルトのパンは、魅力的だ。


生産性の充実が今の目標
 アコルトの、お客様への心遣いは、とても温かい。来店されたお客への対応はもちろんのこと、食材のことから、食べ方、保存方法にいたるまでパンを美味しく食べるための情報を細かくパンフレットに記載している。そのためお客はパンフレットを見れば、アコルトの魅力を理解できようになっている。これもまた、パンを美味しく食べてほしいという願いが込められている。 そんなシェフの目標は、生産性の充実を図り、売り切れ状態をなくすこと。そして将来は、同じコンセプトのカフェやレストランを併設することだ。

「シェフの願い」とは?
 「最後に何か一言ありますか?」という質問に対して松尾シェフは、 「日本の場合、オーガニックの原材料がとても高い。それがオーガニック食材を扱う時の難しい問題の一つだ。多くの人にオーガニック商品をたくさん買っていただいて、値段を下げてほしい(笑)」とオーガニックを扱う上での今後の課題を語った。

※マクロビオティックとは
 無双原理、正食法とも呼ばれ、古来より東洋にある陰陽論を基に食養法として大森英櫻氏が体系化したもの。現在ヨーロッパを始め、世界中に拡がっている。化学添加物はもちろん、砂糖、動物性のものを一切使用しない。完全穀物菜食者はヴェーガンと呼ばれる。


Organic Bakery & Deli Der Akkord(アコルト)
住所:
東京都渋谷区神宮前5-45-5
TEL:
03-6419-2928
定休日:
水曜・第三火曜(夏期年始休み)
営業時間:
11:00〜18:00
店舗面積:
14u
従業員数:
5名
アイテム数:
22
来店客数:
1日50〜100人
e-mail:
akkord@fb4.so-net.ne.jp
URL:
http://www.der-akkord.jp/
全国宅配:
デリバリー:
e-mail、TEL、FAXにて注文
配達可能時間:12:00〜19:00

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